数か月前になるのですが、会社の敷地内に可愛い子猫が出現!
会社の後輩A子ちゃんは子猫に名前を付けてご飯を用意して、「手なずけるわよ~~!連れて帰るよ~~!」と仕事に子猫のご飯やりにと日々頑張り、ついにその日を迎え保護した子猫を連れて動物病院へGO=3
が、数時間後泣きながら電話をかけてきました!
どうしたん?
ねー、猫FIVって何?どうしてこんなかわいい子猫がこんな病気にかかっているん?教えて(´;ω;`)
猫飼いである私は、ある程度は予想していたのですが、「やっぱりFIV陽性か」と残念な報告を聞いてしまいました。
A子ちゃん、「猫FIV=怖い病気」ではないんよ!
ちょっと気長に付き合ってあげないといけないけれど、すべての猫が猫FIVと言われる症状を発症するわけではないんよ。
じゃ~、いまから家に行くから教えて。
今回は、A子ちゃんや今から里親募集サイトから子猫を迎えるあなたにも知ってほしい
「保護猫が猫FIVと診断された!猫FIVって何?どんな症状でほかの猫や人にもうつるの?」を詳しく説明していきますね。
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目次
猫FIVとは?
猫FIVは「猫エイズウイルス感染症」といわれます。
猫FIVと呼ばれていますが、正式な名称は「猫後天性免疫不全症候群(ねここうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん)」と病院では言われてます。
あまりにもの長~~い名称なので「猫FIV、又はリンゴ猫」と呼ばれています。
(今回、かわいい呼び方「リンゴ猫とFIV」と表記させていただきながら話を進めていきますね。)
リンゴ猫は猫免疫不全ウイルスに感染して起こり、免疫機能を低下させるため様々な病気にかかりやすくなのが特徴です。
また、病気にかかると治りにくくなります。
人でいえばHIVと呼ばれていますよね?その猫バージョンが「猫FIV」なのです。
猫FIVの段階と症状
一般的に言われている症状は「急性期、無症状キャリア期(潜伏期)、FIV発症期」と3期に別れており、猫の個体差にもよって症状は異なります。
急性期
この時期の症状は、FIVウイルス感染後約1か月ぐらいで猫風邪、下痢、リンパ節が腫れるなどの症状がみられます。
猫風邪 | 鼻水、くしゃみ、食欲不振、角膜炎、結膜炎、発熱、他に口の中に水疱ができる口内炎や舌の炎症などが主な症状です。 |
下痢 | 猫がウイルスや寄生虫に感染している場合、嘔吐、食欲不振、猫がおとなしい(元気がない) |
リンパ節が腫れる | けが、感染症など体の外から細菌などが侵入して細菌を防ぎきれなかったらリンパ節がはれる。 |
この症状は、1ヵ月から1年前後続くと言われます。
無症状キャリア期
急性期に見られた症状が一旦収まります。
「ほんとにリンゴ猫なん?いままでかかった病気はリンゴ猫の病原体とは関係ないんじゃない?」と言われるほど、普通に猫生活を送れます。
今現在、我が家の茶トラ猫がこの時期に突入していると思えるんですよ!
よく食べ、寝て、モンクたれて、甘えてという猫あるあるまっしぐらですよ~♪
この時期を「無症状キャリア期」と呼びます。
急性期にいたずらをしていたウイルスが猫の体内のリンパ球中内に潜伏している期間に当たります。
猫も急性期のような症状から解放されて落着き、あなたも一安心!してしまう時期でもあります。
見た目には完治したように見えますが、ウイルスはリンパ球の中で細胞破壊を繰り返していますので、猫の免疫力が知らない間に落ちていきます。
この無症状キャリア期は3年から10年と言われています。
そして猫の個体差にもよりますがFIVが発症する子、発症しないで猫生を全うする子に分かれます。
猫友さん家の猫(リンゴ猫)は15年、元気に生き抜いたそうですから!我が家の茶トラ猫にも、20年という記録に挑戦してほしいですね。
我が家のキャリア猫
茶トラ猫が「FIV菌保持猫」なのですが、急性期がよくわからず今現在は「無症状キャリア期」に突入していると思われます。
というのも私が気が付いた症状は「口が臭い、息が臭い、うんちがぴ~やわ!」程度で病院へ連れて行って便を検査してもらったら
「虫がうんちの中をかっ歩してますよ~」と言われまして(笑)、ほんとにこの茶トラ猫はリンゴ猫か?な状態なのです。
が!血液検査を何度しても「FIV間違いないです!また来年も検査します?」と病院の先生に呆れらるほど元気な猫なのです。
この症状から、茶トラ猫は現在無症状キャリア期であると判断できます。
猫FIV発症期
無症状キャリア期が終わると、FIVが再発(目に見える症状)します。
病院の先生に言われたのは、一番最初に見られる症状として
口に一番最初に異変が現れますと教えていただきました。
うん?じゃ~我が家の茶猫はFIV発症期なのか?疑問に思いもっと詳しく聞くと
歯肉、歯周組織などの炎症や細菌感染によって引き起こされますとのこと
口内炎の症状がみられます。
観察してほしいのは
- ごはんを食べにくそうにしていないか
- ご飯の量が減ってきた
- よだれが出ていないか
- いつもより、口臭がきつく感じないか
2番目に見られる症状 見た目で猫を観察できる項目
- 体重が減ってきた
- 嘔吐や、下痢を繰り返していないか
- 猫風邪をひきやすくなっていないか
- 猫風邪がなかなか治らない
- 皮膚炎を起こしていないか
以上が、見た目で判断できる症状です。
これ以上に免疫力が落ちてくると
- 肺炎
- 胸膜炎
- 悪性腫瘍(ガン)
など、さまざまな臓器への障害が引き起こされます。
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猫FIVの感染元
A子ちゃんが保護した猫や、里親募集サイトで「猫FIV:陽性」と言われる猫はどのように感染したのでしょう?
一般的に言われている感染ルートを紹介します。
母子感染
保護した子猫の「お母さん猫がもともと、猫FIVに感染している」と高い確率で、子猫もFIV保持猫として生まれてきます。
そのほかには
- お母さん猫が、猫FIVに感染しているオス猫と交尾したときに感染した!
- または、お母さん猫のお母さん猫(人でいえばおばあちゃん)が感染していたと考えられます。
ただ、生後3か月から5か月の子猫の場合(特に生後間もない1か月の子猫)陰性に変わる子猫もいます。
子猫の血液検査をしたときに出てきた結果で「限りなく猫FIVがグレーに近いと陽性が陰性になることもある」と聞きましたが、
「生後半年を過ぎた子猫は陰性になることは絶対にない」と病院の先生に言われました。
キャリア猫とけんかして血液から感染する
猫FIVに感染している猫のことをキャリア猫と呼びます。
このキャリア猫と流血騒ぎを(大喧嘩して噛みつかれた!)時に感染するのです。
外へ出る猫、多頭飼いの猫にFIV感染猫がいたら流血騒ぎで感染します。
口内炎を発症しているFIVキャリアの猫に、グルーミングしてもらうと、うつるともいわれています。
その逆で、ノーマルな猫(猫FIVに感染していない猫)が口内炎を発症していると、FIVの病原菌が口内炎を介してノーマルな猫の体内に入り込み猫FIVに感染するといわれています。
猫FIVは人に感染するの?
「FIV」と聞いて一番不安なのが「人には感染しないの?」だと思うのですが猫FIVには人にはうつりません!=感染しません!
この猫FIVは非常に弱いウイルスと言われており、空気中では乾燥して数時間で死滅します。
また一旦猫の体外にウイルスを出てしまうと、湿った状態でも数日でウイルスは死滅します。
ほかの猫にもうつるの?
猫FIVは、傷口に「ウイルスの入った唾液、血液」が付着しなければ、感染することはありません。
上記にも書いていますが、猫同士で流血騒ぎを起こさない限り同じ空間にいることは可能なのです。
A子ちゃんに「なぜ先輩の家の茶トラ猫ちゃんは別居生活なの」と突っ込まれたので(苦笑)理由を書いておきます。
茶トラ猫を保護したのが、白黒、キジトラ猫達を迎えて3年以上たっていて、他の猫を受け付けなかったのです。
また、家に茶トラ猫を連れ帰ってご対面をさせなかったことも原因です。
ご対面の時期を間違えたともいえる失敗談です。(今更ですが、ちょくちょくご対面をさせています(苦笑))
茶トラ猫を連れ帰ったときにはすでに去勢手術も終わり、血液検査も終わっていて「キャリア猫確定」だったのですが
白黒、キジトラ猫たちの気が強いことに困り果てていたのでご対面をさせなかったのです。
そのために、我が家では別室生活を余儀なくされた茶トラ猫なのです。
猫FIV感染症の治療方法
猫FIVを完治できる特効薬がないからといって何もしないわけではありません。
できる限りの治療をして、猫の負担を軽くしてあげることができるのです。
FIVの症状が現れた都度に、治療をする
治療内容は
歯肉炎、口内炎の治療 | ウイルスを抑えるため、抗生物質の投与。 |
下痢、外耳炎の治療 | 抗菌薬、抗真菌薬の投与。 |
免疫力をあげる | 猫インターフェロンの投与 |
が代表的な治療方法です。
ただし、免疫機能が落ちてきている猫は病状がすぐ(数時間後、翌日に)よくなるとは限りませんのですこしづつ病状が落ち着くとおもってくださいね。
もう1匹飼えないの?
A子ちゃんやあなたが、あとから「もう1匹飼いたい!」と思うことがあると思います。
その場合おすすめなのが「猫FIV感染猫を里親募集サイトなどから譲り受ける」ことです。
隔離生活を強要しなくて済み、夢の猫団子も見れますよ♪
どうしても猫FIVに感染してない猫を飼いたいと思うのならば、子猫を里親募集サイトから譲りうけてください。
できれば完全室内飼いをし、他のリンゴ猫との接触を避ける!特に、仲がいい猫がいても交尾や、流血騒ぎはNGです。
あと子猫は怖いもの知らずで先住猫から、猫社会の教育を受けるので流血騒ぎになることが少ないです。
また隔離生活をしたくないと思うのならば、勇気がいる行動ですが「ノンキャリア猫(FIVウイルスに感染していない猫)に猫FIVワクチン接種をする」という手段もあります。
この場合のワクチン接種は「フエロバックスFIV」というワクチンです。
ワクチン名を見てわかると思いますが「FIV=猫エイズワクチン」です。
ノンキャリアの猫にワクチン接種をして猫FIVに感染した猫と同じように、FIV猫に強制的にすると言ったらわかるでしょうか?
ただしこのワクチン接種は、初年度は2~3週の間隔で3回接種、翌年から1年に1回接種する必要があります。
一度でもワクチン接種を忘れると・・元の木阿弥です(´;ω;`)
メリット
- 猫を隔離する必要がない。
- リンゴ猫と流血騒ぎを起こしても、感染のリスクが下がる。
デメリット
- 費用が高い(確か1回 5,000円だったような・・で、2匹X5,000=10,000円)
- アレルギーを持っている猫は、どのような体調変化が起きるか不明
- 1回でも打ち忘れると、元の木阿弥・・・
- 健常な猫でも、多岐にわたる副作用が報告されている。
上記のワクチン接種は、実際我が家で「さ~、打ちます?やめます?」と病院の先生と話し合ったことです。
我が家は、「もう、このままでいいや~」でワクチン接種は受けていません。
なんたって、アレルギーを持ち合わせた猫もいることですしね。
多頭飼いをする場合
ご飯茶碗、お水を飲む容器、トイレは完全に別にする!
猫同士のほどよい距離と仲良くさせてあげる ←これ重要ですが、めっちゃムズイ!(だから、我が家はあきらめました!)
私のほんねは多頭飼いしたいのならば「里親募集サイトから、リンゴ猫を譲りうけてほしい!」です。
おわりに
猫FIVとはどのような症状かおさらいしておきましょう。
- 急性期、無症状キャリア期(潜伏期)、FIV発症期と3期に分かれている
- リンゴ猫の感染元はお母さん猫から「母子感染」が有力
- 同じ空間(部屋)で過ごすのはOK
- キャリア猫と流血騒ぎを(喧嘩した!噛みつかれた!)時に感染する
- FIVを発症すると、口内炎などの口の中の疾患から始まり、嘔吐・下痢・体重減と進行していき免疫機能が低下する
- 猫FIVは人にはうつりません!=感染しません!
- 猫エイズウイルス感染症の治療方法は症状が現れた都度に、治療をします。
- 予防方法はリンゴ猫との接触を避ける(グルーミングは猫同士でさせないほうがいい)
- メリット、デメリットを病院の先生に詳しく聞いて、「フエロバックスFIV」と言うワクチン接種を猫に打つ。
ワクチンですが、現在は取り扱っている病院と取り扱いをしていない病院とありますので確認をしてくださいね。
以上が今回の大まかな内容です。
今回の記事は猫FIVに感染したすべての猫にみられる症状ではありません
猫の個体差にもよりますが、猫FIVを発症しないで猫生を終える猫もいますので安心してください
猫にとって一番うれしいのはあなたの傍で長~~く、楽しく生活できることです。
A子ちゃんやあなたは猫と接し病院へ連れていくタイミングを逃さないでくださいね。
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